| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第71回全国大会 (2024年3月、横浜) 講演要旨 ESJ71 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P2-050 (Poster presentation)
中大型動物の個体数密度の長期・広域モニタリングは,野生動物の保全・管理における最重要課題であり続けてきた.近年,自動撮影カメラの普及と無標識個体群に適用可能な統計モデル(例えばREST法,Nakashima at. al 2008)の登場によって,従来の手法では困難だった信頼度の高いモニタリングが可能になりつつある.本研究では,房総半島において実施してきたモニタリング結果の概要について紹介する.我々は,RESTモデルを改良し,データの処理に要する時間を大幅に削減する手法を確立した.さらに時系列データを扱うために状態空間モデルを構築した.そのうえで,5年間の継続調査で取得した約70万本の動画から得られたデータにこの手法を適用し,各種の個体数密度の変動を明らかにした.その結果,人里近くの野生動物の個体数は比較的短期間(数年単位)に大きく変動していた.