| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第71回全国大会 (2024年3月、横浜) 講演要旨
ESJ71 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-109  (Poster presentation)

高知県物部川・仁淀川における植物群落構成種の生態的特性
Ecological traits of the plant communities in Monobe and Niyodo Rivers, Kochi, Japan.

*比嘉基紀, 岡田琉正, 田渕啓真(高知大・理工)
*Motoki HIGA, Ryusei OKADA, Hiromasa TABUCHI(Fac. Sci. Tech., Kochi Univ.)

河川氾濫原では,出水による物理的攪乱の規模・頻度と水分ストレスの組み合わせが異なる多様な立地環境が形成される。この2つの環境要因(攪乱とストレス)から,河川に生育する植物はしばしばGrimeの生活史戦略性(競争戦略性,耐ストレス戦略性,荒れ地戦略性)で説明される。しかし,河川植物の生活史戦略スペクトル及び立地環境と生態的特性の関係の知見は十分でない。本研究の目的は,高知県物部川・仁淀川の砂礫堆上の植物群落を対象に,構成種の生態的特性と立地環境の関係を明らかにすることである。63地点で植生調査を行い,環境データとして表層堆積物のサイズ(平均粒径,淘汰度,大礫長径中央値,表層礫被覆率)と化学性(pH,EC等)を測定した。生態的特性データとして,出現種88種中64種の植物標本をもとに,葉面積,葉乾物含有量,比葉面積を求め生活史戦略性を評価し,図鑑から種子重量と最大草丈まとめた。生活史戦略性のいずれかが50 %以上の種は,競争戦略9種,耐ストレス戦略29種,荒れ地戦略19種で,優占種・普通種では耐ストレス戦略種が多かった。植物群落の形質データと環境データとの関係を解析した結果,表層礫体積率の増加とともに荒れ地戦略種の優占度が増加する一方,大礫長径の増加とともに競争戦略種の優占度が減少する傾向が認められた。耐ストレス戦略種では表層堆積物のサイズと優占度に明瞭な関係性は認められなかった。種子重量では,表層堆積物の平均粒径が小さくなると種子重量の大きい種の優占度が増加した。物部川・仁淀川で耐ストレス戦略種が多かった要因として,砂礫堆上での植物の生育には水分ストレスが強く影響している可能性とが考えられた。種子重量と表層堆積物の平均粒径に関係が認められたことから,流水による種子散布が砂礫堆上の植物分布に影響していると考えられた。


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