| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第71回全国大会 (2024年3月、横浜) 講演要旨
ESJ71 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-164  (Poster presentation)

カエル類の成体の繁殖場所の選好性は幼生の成長量を説明するか?
Does spawning habitat preferences of adult frogs explain the growth of their offsprings?

*内藤梨沙, 市原梨香, 平塚基志(早稲田大学)
*Risa NAITO, Riko ICHIHARA, Motoshi HIRATSUKA(Waseda Univ.)

狭山丘陵に残された谷津田跡地において再生された水田とその周辺のため池で行ったラインセンサス調査によって6種のカエルが確認された。本研究ではそれらカエルの繁殖行動と幼生の成長に注目し、成体が繁殖地として選択する場所が幼生の成長にとっても好適な場所であるかを検証した。調査対象地は稲作を行っている水田、休耕田1年目と4年目を3筆ずつと、ため池とビオトープを3か所ずつ、5つのカテゴリーから合計15カ所である。2021年12月から2022年8月まで幼生の掬い取り調査を行い、種の同定と頭胴長を記録した。また同時期に、ため池1カ所につき1つ、それ以外はカテゴリーごとに1つのICレコーダーの合計7つを設置し、1時間あたり5分間音声を記録した。音声データはKaleidoscope Proを用いてカエルの鳴き声を抽出し、鳴き声を繁殖行動の指標とし、各種カエルの繁殖行動の行われていた場所、時間帯、期間を明らかにした。また、水辺環境、人による管理、地理的特徴に関する環境要因について調査を行った。調査の結果、各種カエルの繁殖行動と幼生の成長パターンは調査対象地毎に異なっており、①繁殖行動と環境要因の関係、②幼生の成長と環境要因の関係、③調査対象地毎の繁殖行動の相対的な多さと幼生の成長との関係について分析を行った。これまでに幼生の成長の可塑性と環境要因との関連について明らかにされているが、幼生の成長の過程を追いながら、成体が幼生の成長にとってもよい場所を繁殖地として選択しているのか、もし選択していないとすればどのような理由が考えられるかを人の管理が行われている谷津田環境の特徴をふまえて議論する。


日本生態学会