| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第71回全国大会 (2024年3月、横浜) 講演要旨
ESJ71 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-168  (Poster presentation)

二次林伐採跡地における林床管理継続10年後のコナラ実生の分布と樹高
Distribution and height of Quercus serrata seedlings after 10 years of continuous forest floor management in a site of clear-cutting secondary forests

*橋本啓史(名城大学), 大崎晃寛(元・名城大学), 都築芽伊(元・名城大学)
*Hiroshi HASHIMOTO(Meijo Univ.), Akihiro OHSAKI(Formerly at Meijo Univ.), Mei TSUDUKI(Formerly at Meijo Univ.)

 コナラ二次林皆伐後にコナラの実生更新が期待できる環境条件を明らかにすることを目的に、愛知県豊田市の丘陵地にある南西向き斜面(標高約105mの丘陵地の頂部斜面)の前回皆伐から約45年経過した様々なサイズのコナラとアベマキを含む二次林を2013年1月に0.25ha(50m×50m)皆伐し、そのうちの25m×25mで毎年下刈り・落ち葉掻き等の林床管理を行ってきた。
 皆伐後3年目の2015年に97個の2mメッシュ調査区を設け、コナラの実生の位置と樹高を記録した。そして皆伐後10年目の2023年にも同じメッシュで胸高以上の樹高のコナラ実生木の位置と樹高を記録した。伐採前年はコナラの生り年で、多数のコナラの堅果が調査地の林床には供給されていた。また、皆伐後3年目と10年目の間にもコナラの生り年はあり、皆伐地で萌芽更新したコナラの一部の個体も堅果を結実し、落果させていた。
 伐採後に発芽し、3年目まで生残したコナラ実生が1個体以上存在する区画は26個であった。不在メッシュも含めた4m2あたりの密度は0.93±2.58 3S.D.(最大17個体)であった。10年目では、胸高以上の樹高のコナラ実生が1個体以上存在する区画は46個であった。不在メッシュも含めた4m2あたりの密度は0.84±1.170 S.D.(最大5個体)であった。最大樹高は、皆伐後3年目は166 cm、皆伐後10年目は802 cmであった。


日本生態学会