| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第71回全国大会 (2024年3月、横浜) 講演要旨
ESJ71 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-201  (Poster presentation)

Deep leaningを用いた生物多様性モニタリング手法は有用か?-学習コストと精度の検証-
Are biodiversity monitoring methods using deep learning effective? -Examination of learning cost and accuracy-.

*平岩将良(近畿大・農), 石若直人(近畿大・農), 秋山大樹(近畿大・農), 太田貴生斗(近畿大・農), 橋本洸哉(弘前大・農生, 国立環境研究所), 土屋健司(国立環境研究所), 角谷拓(国立環境研究所), 早坂大亮(近畿大・農)
*Masayoshi HIRAIWA(Kindai Univ.), Naoto ISHIWAKA(Kindai Univ.), Daiki AKIYAMA(Kindai Univ.), Kioto OTA(Kindai Univ.), koya HASHIMOTO(Hirosaki Univ., NIES), Kenji TSUCHIYA(NIES), Taku KADOYA(NIES), Daisuke HAYASAKA(Kindai Univ.)

世界的に進行する生物多様性の減少を防ぐためには、生物のモニタリングを継続的に行い、生態系に生じた異常を早期発見し、保全策を講じることが重要である。一方で、継続的なモニタリングには、生物種の同定能力などの専門知識や個体数の計数など多大な労力を必要とする。近年、Deep learningによる物体検出技術が発展し、画像中の生物の種同定・自動計数手法の開発が進みつつある。本手法をモニタリングに活用することで、労力の大幅な削減が期待できるが、実環境に適用した場合の精度や学習にかかるコスト(必要な画像枚数や時間)などについての情報は少なく、普及の障壁となっている。そこで本研究では、多様な分類群の種から構成される水田生物群集に対して、Deep learningを用いた生物の自動計数手法を開発し、個体数の推定精度や学習にかかるコストの検証を行った。
近畿大学農学部の実験圃場に水田メソコズム(人工生態系)を16基設置し、2022年6月から10月にかけ、週1回の頻度で生物調査を実施した。調査では稚魚ネットに入った生物をバットに移し、写真を撮影した。写真の一部を学習データとし、Deep learningを用いて水生昆虫や貝類などの物体検出をおこない、メソコスム内の各種の個体数を計数した。目視とDeep learningによる検出個体数を比較した結果、両者は高い相関を示し、水田生物群集のモニタリングに対してDeep learningが十分な精度をもつことが示された。本発表では、学習に用いた画像数や生物の体サイズが推定精度に与える影響についても検証し、Deep learningを用いた生物多様性モニタリングの有用性について議論を行う。


日本生態学会