| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第71回全国大会 (2024年3月、横浜) 講演要旨
ESJ71 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-202  (Poster presentation)

コンテナビオトープは水域の生物多様性保全に寄与するのか?
Assessment of ecological network function using container biotopes

*松澤優樹(自然共生研究センター), 増田進一(沼津河川国道事務所), 相川隆生(自然共生研究センター), 森照貴(自然共生研究センター)
*Yuki MATSUZAWA(ARRC), Shinichi MASUDA(MLIT), Takao AIKAWA(ARRC), Terutaka MORI(ARRC)

近年、日本の水辺環境は、人為的な環境改変に伴い、水生生物の生息場の縮小や分断が進み、生物多様性が著しく減衰している。水生生物には河川や水路、水田、池沼を生活史の中で行き来する生物も存在することから水域の生態系ネットワークを保全することは水辺の生物多様性を保全するためには重要である。魚類のように生活史を水域のみで完結する生物がいる一方で、両生類、昆虫類等の陸上を利用する生物も存在する。これらの生物にとって水域のネットワークに加えて、水域間をつなぐ「陸域」のネットワークや生息場の質は生活史を完結するためには重要な要素であるが、水域間をつなぐ「陸域」について検討している研究は少ない。本研究では、コンテナボックス(130cm×86cm×47cm)を用いて作成した簡易ビオトープ(コンテナビオトープ)によって水域間をつなぐ陸域の質を評価できるのか、またビオトープが生態系ネットワークの一部として機能できるのか検討した。コンテナビオトープは濃尾平野に広く設置し(19か所、42コンテナ)、1地点につき、水草(ヨシ)を植えたプランターを2つ入れたコンテナ、1つ入れたコンテナ、水草なしの3種類のコンテナを最大3つ配置した。生物調査は春季、夏季、冬季に3回実施し、コンテナビオトープ内のトンボ目、コウチュウ目、カメムシ目について調査した。さらに夏季の調査では、コンテナビオトープ周辺を飛翔するトンボ目について目視で確認した。調査の結果、8種のトンボ目、9種のコウチュウ目、4種のカメムシ目の昆虫を採捕した。これらの生物の採捕結果とコンテナビオトープの設置場所の特性や土地利用との関係性について解析することで、陸域の質がコンテナビオトープに飛来する生物の種や個体数に与える影響や出現した生物にとって生態系ネットワークとして機能するコンテナビオトープの配置場所を明らかにした。


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