| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第71回全国大会 (2024年3月、横浜) 講演要旨
ESJ71 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-243  (Poster presentation)

過去の耕作履歴が半自然草地の種組成へ及ぼす影響
The effect of the past agricultural land use on the species composition of a semi-natural grassland

*丹野夕輝(静岡大学, 現在:国環研), 山下雅幸(静岡大学), 澤田均(静岡大学, 現在:退職)
*Yuki TANNO(Shizuoka Univ., Present affiliation: NIES), Masayuki YAMASHITA(Shizuoka Univ.), Hitoshi SAWADA(Shizuoka Univ., Present affiliation: Retired)

耕作の履歴は植物群集へ強く影響すること、その影響はしばしば長期にわたることが知られている。しかし、どのような要因が耕作履歴のレガシー効果をもたらしているのか十分に解明されていない。本研究では、静岡県の茶草場(茶園の敷草を刈るための半自然草地)を事例として、耕作履歴が種組成に及ぼす影響を調査した。
調査は2012年7月から2013年6月にかけて実施した。静岡県菊川市および島田市の、歴史の長い茶草場9カ所と棚田跡地の茶草場6カ所を調査地とした。各茶草場にコドラート(2.25 m2)を2~12個ずつ設置し、植生、開空率および土壌条件を記録した。種組成の傾向を全体的に比較するため、NMDSによる序列化を行った。一般化線形混合モデルを用いて、耕作履歴および環境条件が各種の出現確率に及ぼす影響を解析した。
NMDSの結果、棚田跡地の茶草場の種組成は歴史の長い茶草場と概して異なっていた。各種の出現頻度も、棚田跡地の茶草場と歴史の長い茶草場の間に差異が認められた。一般化線形混合モデルを用いた解析の結果、一部の種では、出現確率の変異のかなりの割合は環境条件で説明された。一方、一部の種では、出現確率の変異は環境条件だけではあまり説明されなかった。


日本生態学会