| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第71回全国大会 (2024年3月、横浜) 講演要旨
ESJ71 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-245  (Poster presentation)

イノシシによる摂食が竹稈のサイズ分布に与える影響
The influence of feeding by wild boars to the size distribution of bamboo culms in bamboo forests.

*藤原道郎(兵庫県大院/淡路景観)
*Michiro FUJIHARA(Univ of Hyogo, Awaji LPHA)

竹林が利用されず管理がなされなくなったことにより生じた竹林拡大は地域に様々な影響を与えており,放置竹林の拡大防止が求められている.タケノコはイノシシの餌資源となり竹林がイノシシの生息地にもなっている.一方,イノシシによる摂食は竹林再生の阻害要因とも考えられる.そこで,イノシシの生息域における竹林の新稈数,枯死稈数,竹稈サイズの変化を明らかにすることを目的とし,モニタリング調査を行った.
 調査対象地は兵庫県淡路島北部淡路市に位置する県立公園内のモウソウチク林とした.環境省植生図をもとにすると淡路市の面積に対する竹林面積割合は約7.5%と竹林の面積割合が高い.北東向き斜面上に10m×10mの方形区を設定し,各方形区内に縦10m×横5mのイノシシの侵入防止柵(高さ1m)を設置し,防護柵内をイノシシの影響の無いサブプロット,防護柵外をイノシシの影響を受けるサブプロットとした.防護柵設置時の2017年3月および2017年から2023年まで各年の新稈の成長が終了した時点での新稈数,枯死稈数をカウントするとともに胸高直径を計測した.
イノシシ防護柵内のイノシシの影響の無いサブプロットにおける2017年以前3月時点の竹稈数は39±7.6/100m2(平均±SD)であった.
柵設置前後に発生した竹稈の胸高直径は柵内のイノシシの影響が無い場合は12.8±1.7cm(平均±標準偏差)および13.0±1.9cmであったのに対し,柵外のイノシシの影響がある場合の,同時期の変化を見てみると12.4±2.5cmから11.8±2.9cmであった.柵設置後の1年間あたりの新稈数は柵内のイノシシの影響が無い場合は10.6から12.4本/100m2であったのに対し,柵外のイノシシによる摂食がある場合は1.6から2.4本/100m2であった.イノシシの摂食により竹稈数の増加抑制が生じていたが,サイズ変化に関してはイノシシの影響の継続期間含めてさらに検討を行うこととしたい.


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