| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第71回全国大会 (2024年3月、横浜) 講演要旨
ESJ71 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-247  (Poster presentation)

1990年代の多摩川のカワラノギクから2050年の東京湾のウラギクを考える
Conservation Measures of Aster tripolium in the Tokyo Bay from Aster kantoensis in the floodplain of the River Tama among 1990s

*倉本宣(明治大学), 岡田久子(明治大学), 内山香(ウラギク保全ネット), 舟木匡志(エヌピーオー バース)
*Noboru KURAMOTO(Meiji Univ.), Hisako OKADA(Meiji Univ.), Kaoru UCHIYAMA(Tripolium Network in Tokyo Bay), Kyouji FUNAKI(NPO birth)

カワラノギクとウラギクは生活史が類似し、それぞれのハビタットの保全の象徴種となっている。かつては大規模な個体群を有していた植物が絶滅に向かうときには、個体群の分断化と孤立化が進行して、個体群の数が一時的に増したのちに減少し、絶滅に向かうと考えられる。我々は1980年代からカワラノギクを、2000年代からウラギクを研究してきた。1993年の多摩川には矢原・鷲谷(2023)のいわゆる地域個体群が6つ、局所個体群が71存在した。2019年の出水で多摩川で最後の野生個体群が消失し、カワラノギクは多摩川では野生絶滅となった。東京湾のウラギクは、2023年に地域個体群が9つ、局所個体群が11であった。2023年における東京湾のウラギクの状況は1993年における多摩川のカワラノギクの状況よりも絶滅に近づいているように見受けられる。多摩川と同じような地域絶滅の轍を踏まないために、生育地の管理者と保全団体のネットワークによる適切な対応が求められている。


日本生態学会