| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第71回全国大会 (2024年3月、横浜) 講演要旨 ESJ71 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P2-253 (Poster presentation)
国内外の化学物質の生態リスク管理では、保全目標レベルとして個体群の存続が設定されることが多い。実際に、我が国における水生生物の保全を目的とする水質環境基準は、“特に感受性の高い生物個体の保護までは考慮せず、個体群の維持を可能とするレベルで” 維持することが望ましい水準として設定されている。一方で、大学生向けの講義内の限られた事例ではあるが、保全レベルとしてより低次の生物学的階層での保護(例えば、DNAや細胞レベルの影響や個体の死亡の防止)を選好することも見られる(岩崎 2015;DOI:10.11403/jset.18.39)。しかしながら、このような保全レベルに市民がどのような選好を持っているか、について広域で調査した研究はこれまでにない。
本研究では、日本全国1000名以上対象としたウェブアンケート調査を用いて、水生生物保全を目的とする水質環境基準を設定する場合に、どの保全レベルが選好されるかを調査することを目的とした。加えて、化学物質に関する考え方などと保全レベルの選好性の関係性についても調査した。