| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第71回全国大会 (2024年3月、横浜) 講演要旨 ESJ71 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P2-277 (Poster presentation)
近年、建築外構植栽における生物多様性配慮のため、草地型の緑化技術が開発されつつあるが、いずれも初期植栽の維持を前提としており自然発生する雑草類については高コストな手取り除草であることから、生物多様性と低コストな省管理の両立が課題である。
そこで、建築外構植栽において自然発生する雑草を可能な限り共生させ省管理で維持可能な半自然草地を創出・維持する手法の確立を目的とし、文献調査および半自然草地創出試験を行った。
その結果、文献調査から建築外構植栽において発生しうる雑草種群として300種弱が抽出され、その半数超は在来種であり、さらにその生態的特徴は、低茎で地中に生長点を持つ等、高い刈り取り耐性を備えていた。実証試験では、在来一年草による密な初期緑被、二年目以降の在来多年草の緑量の急増、および高茎外来種の初期の除草の重要性等が確認されたが、中長期的には建築外構植栽においても原則年数回の刈り取りのみという省管理で半自然草地が誘導可能であることが示された。