| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第71回全国大会 (2024年3月、横浜) 講演要旨
ESJ71 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-281  (Poster presentation)

継続的な刈取り処理によるクズおよびセイタカアワダチソウ群落の抑制効果の検証
Suppressive Effect of Continuous Mowing Management on Abandoned Land Vegetation

*伊藤浩二(岐阜大学), 野尻博美(有限会社ソイルラボ)
*Koji ITO(Gifu Univ.), Hiromi NOJIRI(Soil Lab. Co., Ltd.)

 人為的改変を受けたのり面等で優占種となるクズ(Pueraria montana var. lobata)やセイタカアワダチソウ(Solidago altissima)について、省力的管理により緑地管理上望ましい植生へ誘導する手法を検討するため、金沢大学構内(金沢市角間町)に野外実験区を設置し、刈り取り回数と時期を変えて3年間にわたりクズおよびセイタカアワダチソウの抑制効果の関係、刈り取りに対する植物種多様性の反応を調査した。特に自走式草刈り機(ハンマーナイフモア)を用いた省力的な植生管理が刈り取り後の群落組成に与える影響に着目した。
 2021年には年2回(8,10月)、年1回(8月ないし10月)、年0回(刈取なし)の処理区を設置し、2022年および2023年には年4回(6,7,8,9月)、年3回(6,7,8月)、年1回(9月)、年0回(同上)の処理区を設置した。実験処理は各3反復とし、刈り草はそのまま現地に放置して自然分解するようにした。植生調査は春季ないし秋季に1m四方のコドラートを処理区あたり5-6箇所設置し実施した。
 本報告では、刈り取り回数と時期の違いが、その後の群落組成にどのような影響を及ぼすのかを明らかにし、外来種の抑制ならびに景観維持に必要な省力的かつ効率的な生態系管理手法について提言する。


日本生態学会