| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第71回全国大会 (2024年3月、横浜) 講演要旨
ESJ71 Abstract


一般講演(ポスター発表) PH-09  (Poster presentation)

プラナリアの負の走光性と採餌行動における優先度【O】
Which action do planarias prioritize their avoidance toward light or foraging behavior?【O】

*吉場海飛(春日部高等学校)
*Kaito YOSHIBA(Kasukabe High School)

プラナリア(学名:Dugesia japonica)の採餌行動と負の走光性における優先順位について興味を持ち、研究を始めた。

はじめに、予備実験として、プラナリアが負の走光性を示す光の強さを調べた。
実験方法としてシャーレの半分を黒画用紙で覆った環境を用意し、当たらない場所(遮光部)と光が当たる場所(照光部)を作った。遮光部と照光部の光の強さを計測し、その差を変えながら、走光性の観察を行った。計測においてプラナリアを1匹ずつシャーレの中央に置き、5 分後シャーレ内のどちら側にいるかを調べた。プラナリアは8 匹用意した。

結果、遮光部と照光部の差が約3500 Luxの条件で8 匹全てが遮光部へ移動した。

本実験として照光部にエサ(鶏レバー)を配置し、予備実験の条件と同様な実験を行った。照度の差を大きくして観察を行うと、4750 Lux、6500 Luxにおいてはほとんどのプラナリアがエサへと移動した。

考察として、空腹状態におけるプラナリアの優先度は多くの場合エサの方が高いと考えられる。一部の個体が遮光部へ移動する理由として、エサの感知能力が低いか、光に対する感受性が強い可能性がある。


日本生態学会