| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第71回全国大会 (2024年3月、横浜) 講演要旨
ESJ71 Abstract


一般講演(ポスター発表) PH-16  (Poster presentation)

金魚は何見て近づくのか?~春高飼育金魚の視覚認識について~【O】
Research on visual perception of goldfish kept at Kasukabe High School【O】

*浅見颯一郎(春日部高等学校)
*Souichirou ASAMI(Kasukabe High School)

ワキン(Carassius auratus)が給餌の際に人や餌容器を追いかける行動を見て、何に反応しているのかと疑問に思い研究を行った。

本校生物実験室にて60 cm水槽(容量約64 L)で飼育しているワキン19 匹を対象とした。

実験内容として、ワキンが反応する距離や、音・人影・動くものへの反応を観察した。 

まず、ワキンが視覚により人を認識していることを確かめる実験を行った。
その後、視覚による認識距離を確かめる実験を行った。水槽の前面を0 m地点とし5 m地点まで1 mごとに計6 地点に印をつけ、各地点に人が立った時のワキンの反応を調べた。その結果、0〜3 mの範囲において反応していることが分かった。

次に音に対する反応を観察した。
異なる5種類の音源を用意し反応を観察した。結果、ワキンは人の会話音に最も強く反応した。一方で、自然音(雨音や野外の音)にはほとんど反応が見られなかった。
 
次に近づけるものの形に対するワキンの反応を観察した。人が近づく試行・人に模した人形が近づく試行・人と高さが同じ看板が近づく試行を行った。結果、人と人形には反応したが、看板には反応しなかった。

考察として、ワキンは視覚と聴覚により人の接近を感知していると考えられる。


日本生態学会