| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第71回全国大会 (2024年3月、横浜) 講演要旨 ESJ71 Abstract |
一般講演(ポスター発表) PH-47 (Poster presentation)
私は、本当に温暖化によってクマゼミが増加傾向にあるのかを調べるために、8年前から岡山県倉敷市内の5地点で抜け殻を採取し、種類と雌雄ごとに分けて記録した。そして、2020年までの結果から「気温、雨量、湿度」が関係するのではないかと仮説を立て、定点観測地である倉敷東小学校では、7月から毎日抜け殻を採取し、土壌の含水率を調べることにした。
調査の結果、アブラゼミは降水量が多いと増え、クマゼミは気温が高くなると増える傾向が見えた。2021年の予想ではアブラゼミが減り、クマゼミが増えるはずだったがクマゼミは減っていた。梅雨時期前半に雨が降らず気温の上昇が激しかったこと、その他にも、寒暖差が羽化率の低下に繋がったのではないかと考えた。
定点観測地では、樹木によって付いている抜け殻の種類が異なることや
含水率が高い所のほうが抜け殻が見つかることが分かった。
また、メスが先に羽化しその後オスが羽化していた。
このことから私は、含水率だけでなく土の柔らかさにも着目してみたり、
セミが土から出てくる前の降水率や気温、そして調べる時期を修正してみたりした。
今後も様々な視点からセミに与える環境要因について調べていきたい。