| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第71回全国大会 (2024年3月、横浜) 講演要旨
ESJ71 Abstract


一般講演(ポスター発表) PH-59  (Poster presentation)

ビオチン生合成能を持つSaccharomyces 属のスクリーニングおよび製パン特性
Screening of Saccharomyces strains for biosynthesis of biotin and its bread making properties.

*栗本愛雅, 伊藤潤, 池本海翔, 桑原悠希, 中島啓汰, 長手涼雅, 信木公介(東農大三高等学校)
*Aiga KURIMOTO, Amane ITO, Kaito IKEMOTO, Yuri KUWABARA, Keita NAKAJIMA, Ryoga NAGATE, Kosuke NOBUKI(3rd H. S., Tokyo Univ. Agric.)

目的:Saccharomyces cerevisiaeはビオチンを生合成するための遺伝子を保有しているが、栄養要求性を示すことが報告されている。しかし古くから日本酒造りに使われる清酒酵母は、ビオチン生合成のための完全な遺伝子を保有し原栄養性を示している。本研究では、ビオチン生合成が日本の清酒酵母だけではなく、日本の自然界の酵母にも確認できるのかを明らかにすることを目的とし、酵母の探索とビオチン生合成の確認を行った。また、取得した酵母はビオチン生合成の有無に関わらず、製パンにおいての有用性についても確認した。
実験方法:
(1)酵母の取得
学校の敷地内に自生していた植物を0.20%プロピオン酸ナトリウム、0.010%クラムフェニコールを加えたYPD液体培地(グルコース30%)で1週間培養した後、発生した
微生物を白金耳で摂取し、YM平板培地で画線培養して単離した。
その後、顕微鏡で酵母の菌体を確認し、3000rpmで3分間遠心分離した後、上清を捨て殺菌水で菌体を洗浄した。この操作をもう一度繰り返した後、ビタミンフリー培地で画線培養してビオチン生合成を確認した。酵母の同定には19種類の炭素源の資化性を調べる市販キット「アピCオクサノグラム」を使用した。
(2)製パン性を調べる
パンの膨張率を観察するため単離した酵母と対照のドライイーストを用い、生地のこねを二度に分けて行う中種法で製パン試験を行った。生地の砂糖の割合を変え、酵母の発酵性(膨張率)を100mlメスシリンダーを用いて比較した。
(3)各温度生育試験
酵母を、15℃、20℃、25℃、30℃で培養し、それぞれの温度の菌体数を経時的に比較する。
実験結果:ツツジから10株の酵母を獲得することができた。しかし、ビタミンフリー培地では、生育を確認することができなかったため、ビオチン生合成能は清酒酵母特有の形質であることが示唆された。


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