| 要旨トップ | ESJ71 自由集会 一覧 | 日本生態学会第71回全国大会 (2024年3月、横浜) 講演要旨
ESJ71 Abstract


自由集会 W02  3月17日 15:30-17:00 Room B

生態学における生物・個体間「相互作用」とは何か:階層を繋ぐ新たな枠組みに向けて
What are species-individual "interactions" in ecology: Toward a new framework connecting biological hierarchy

長谷和子(東北大学大学院生命科学研究科), 阿部真人(同志社大学文化情報学部), 笠田実(東北大学大学院生命科学研究科)
Kazuko HASE(Graduate School of Life Sciences Tohoku University), Masato S ABE(Faculty of Culture and Information Science, Doshisha University), Minoru KASADA(Graduate School of Life Sciences Tohoku University)

生態学とはあらゆる「相互作用」を扱う学問である。環境と生物の相互作用、種内の個体間相互作用、種間の生物間相互作用、と扱う階層や現象が多岐にわたるため、「相互作用」が意味するもの、またその定義付けは、分野や研究者によってまちまちである。定義の曖昧性は、解明したい現象が研究者によって異なっていても、同じ用語を運用できる利点がある。他方で、現実の問題に対処するとき、議論が噛み合わない、理論がフィールドに適用できない、などの問題が生じることがある。

生物多様性を支える「相互作用」とは何か。同じ生物同士の関係性を調べていても、種内レベルと、種間レベルの生物・個体間相互作用では、扱う "関係性" が異なってくる。
種内レベルを扱う行動生態での適応度、社会性、cost/benefitの概念は、群集レベルには持ち込まれず、捕食ー被食関係を軸に「相互作用」の議論がなされることが多い。

本集会では、生物個体間の「相互作用」に焦点を当て、生態学者が多用する ”生物間「相互作用」という多義的な用語の交通整理” を行う。そして、フィールドと理論のギャップを埋めていくために、種内/種間を跨いだ ”階層間を繋ぐ新たな「相互作用」の概念的枠組み” を提案する。

プログラムでは、フィールドワークが専門の研究者をゲストに迎え、種内レベル、種間レベル、理論家、実証家、それぞれ専門が異なるメンバーで構成し、議論を深める。


プログラム(予定)
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はじめに 「集会趣旨〜実験で測る個体間相互作用」長谷和子
「フィールド研究で観察される社会的な相互作用の話(仮)」徳山奈帆子
「モデル、理論での相互作用(仮)」笠田実
「ネットワークなど図式化の話(仮)」阿部真人

コメンテーター:宮下直、大槻久

総合討論
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[W02-1]
生態学における生物/個体間「相互作用」とは何か:階層を繋ぐ新たな枠組みに向けて *長谷和子(東北大学大学院), 阿部真人(同志社大学), 笠田実(東北大学大学院), 徳山奈帆子(京都大学), 宮下直(東京大学大学院), 大槻久(総合研究大学院大学)
Ask to species/individual "interactions" in ecology: Toward a new framework connecting biological hierarchy *Kazuko HASE(Tohoku University), Masato S ABE(Doshisha University), Minoru KASADA(Tohoku University), Nahoko TOKUYAMA(Kyoto University), Tadashi MIYASHITA(The University of Tokyo), Hisashi OHTSUKI(SOKENDAI)


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