| 要旨トップ | ESJ71 自由集会 一覧 | 日本生態学会第71回全国大会 (2024年3月、横浜) 講演要旨
ESJ71 Abstract


自由集会 W05  3月17日 17:30-19:00 Room A

間接効果を通して見る世界(6):これで幕引き
Novel ecological perspectives arising from indirect effects: How we have learned from the past workshops

大串隆之(京都大学)
Takayuki OHGUSHI(Kyoto University)

「間接効果」は、あらゆる生態システムで主役を演じている。栄養カスケードや見かけの競争は、生物群集や食物網を語る上で今や避けては通れないキーワードになった。また、現在、台頭しつつある生態進化ダイナミクスの発展に、間接効果の考え方は欠かせない。さらに、社会科学、経済学、文化人類学、遺伝子ネットワークの分野でも注目されている。このように、生態学の枠を超えて幅広い分野で間接効果はホットな話題を提供している、それが間接効果だ。日本の生態学がこの世界の学際的激流に飲み込まれ溺死しないうちに、サーファーよろしく大波を捕らえて中天高く舞い上がろうではないか。それには、「間接効果」との出会いの場が必要だ。それがこの自由集会を2018年に立ち上げた理由である。
 これまでの本自由集会では、個体、個体群、群集、生態系の生態学の各階層に焦点を当てて、それぞれに固有の生態的課題に間接効果がいかに大きな役割を果たしているのかを見てきた。さらに前回は、間接効果の観点から各階層をどのようにリンクするかを見てきた。今回は、この自由集会を閉じるに当たって、過去6回にわたる自由集会を振り返り、今後の発展について考えてみたい。


日本生態学会