| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第72回全国大会 (2025年3月、札幌) 講演要旨
ESJ72 Abstract


一般講演(口頭発表) C02-16  (Oral presentation)

Webアプリを用いた自然に関する取り組みの評価手法開発と試行
Development and experiment of an assessment method for nature-related initiatives using a web app.

*三鬼裕泰郎(京都産業大学), 御手洗彰(京都大学), 棟方渚(京都産業大学), 西田貴明(京都産業大学)
*Miki YUTARO(Kyoto Sangyo Univ.), Sho MITARAI(Kyoto Univ.), Nagisa MUNEKATA(Kyoto Sangyo Univ.), Takaaki NISHIDA(Kyoto Sangyo Univ.)

2022年COP15にてネイチャーポジティブの概念が明確に国際目標へと適用され、自然環境との共生が社会全体で推進される中、市民の自然との関わりが重要視され、日々の経済活動や認識を変革し、市民の行動変容・促進が求められている。一方、自然への知識や関心が低い層にも、自然環境貢献活動を促す必要がある。そこで、「手軽に・わかりやすく・誰でも」関わることのできるツールが必要である。また、近年のデジタル化、スマートフォンの普及でモバイルアプリが身近となった。そこで本研究では、QRコードスキャンによりクイズへの参加、落ち葉集め、自然資源を活用したイベント等、自然との関わりを記録するWebアプリケーション「モリソダテ」を開発した。本アプリは特定の施設への訪問者を対象に、主に施設内での実装・利用を想定している。自然との関わりをコンテンツ化し、アプリ上マップに表示し、スタンプラリー的にコン参加する事が出来る。また、行動の記録が可能で、ホーム画面には行動の可視化とモチベーションの向上を狙いとして、コンテンツ参加で画面上の森が変化する機能を実装した 。2024年11月に三重県いなべ市のグリーンインフラ商業施設「にぎわいの森」にて10個のコンテンツを作成し、実証実験を実施した。自然との関わりの計測やアプリ利用による施設利用満足度、滞在時間や消費金額の増加の検証を目的とし、アプリ利用者と施設来訪者へアンケート調査を実施した。結果 、24 名のアプリ利用者により、10個のコンテンツへ合計128件の 参加が確認された。アンケートに回答したアプリ利用者と非利用者間で、利用者において消費金額と施設への再訪問意思がわずかに高かった。また、アプリによる有償コンテンツへの参加も確認された。本実証実験ではサンプル数が少なく、明確な効果を検証出来なかった。今後は地域内においてアプリ対象地を拡大し、効果検証を継続する。


日本生態学会