| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第72回全国大会 (2025年3月、札幌) 講演要旨
ESJ72 Abstract


一般講演(口頭発表) C02-23  (Oral presentation)

常設型撮像装置から得られた画像とAIを用いた魚体長組成の精度評価
Evaluation of fish length composition using images obtained from a permanent imaging equipment and AI

*柴田泰宙(水産研究・教育機構), 岩原由佳(水産研究・教育機構), 眞名野将大(水産研究・教育機構), 鈴木大輝(シーシーエス株式会社), 西野智也(コンピュータマインド), 渡邉有洋(コンピュータマインド), 村山裕佳(JANUS), 北村徹(JANUS)
*Yasutoki SHIBATA(FRA, Japan), Yuka IWAHARA(FRA, Japan), Masahiro MANANO(FRA, Japan), Daiki SUZUKI(CCS Inc.), Tomoya NISHINO(Computermind Corp.), Tomohiro WATANABE(Computermind Corp.), Yuka MURAYAMA(Japan NUS Co., Ltd.), Toru KITAMURA(Japan NUS Co., Ltd.)

海の中にいる漁獲対象種の個体数やその年齢組成(年齢別資源尾数)を正確に把握することは、対象種を乱獲することなく持続的な漁獲を続ける上で非常に重要である。しかしながら、海の中にいる対象種の年齢別資源尾数は、多くの陸上の場合とは異なり、直接的には観測不可能なことが多い。そのため、通常、観測可能な情報である漁業によって水揚げされた対象種の漁獲量とその漁獲物中の年齢組成の情報(年齢別漁獲尾数)を用いて、年齢別資源尾数を推定するという手法が用いられる。従って、年齢別漁獲尾数の正確な把握が持続的な漁獲を続ける鍵になるが、年齢別漁獲尾数は、調査員によって直接測定される漁獲物中の体長組成が基になって算出されるため、何らかの要因で十分な量の測定が行えない場合、年齢別漁獲尾数に大きな不確実性が残ってしまう。本研究では、近年注目されている深層学習を用いることで画像に写った魚体の種類と体長情報を取得する。材料として、2023年10月以降に長崎県松浦魚市場で得られた画像データを含む複数の教師データを学習に用いた。学習に用いなかったデータによって推定された体長組成と、調査員が直接漁獲物を測定した観測された体長組成を用いて精度評価を行い、本研究で開発したモデルの有用性を明らかにする。


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