| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第72回全国大会 (2025年3月、札幌) 講演要旨
ESJ72 Abstract


一般講演(口頭発表) D01-01  (Oral presentation)

アポイ岳の希少植物の生息域外保全について①-エゾキスミレ-
Ex situ conservation of rare plants on Mt. Apoi. Part1. -Viola brevistipulata subsp. hidakana var. hidakana-

*水永優紀(様似町役場商工観光課)
*Yuki MIZUNAGA(Samani Town Office)

エゾキスミレViola brevistipulata subsp. hidakana var. hidakanaはスミレ科の多年草で,北海道日高地方様似町のアポイ岳およびその周辺に局在する希少種である。アポイ岳では近年急速に個体数が減少し,生息域外での保全が早急に求められている植物の一つである。様似町はアポイ岳の麓にある栽培施設で、2018年から希少植物の自生地での種子採取と増殖の取り組みを開始している。エゾキスミレは2018年から毎年秋に播種を行っていたが、2020年まで発芽することはなかった。2022年から、種子を採取した日に播種を行ったところ、74%の種子が発芽した。2022年に発芽した29個体のエゾキスミレのうち3個体は、2024年に開花と結実が見られた。本発表では2018年から2024年までの6年間に得られた、様似町でのエゾキスミレの生息域外保全の成果をまとめて報告する。


日本生態学会