| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第72回全国大会 (2025年3月、札幌) 講演要旨 ESJ72 Abstract |
一般講演(口頭発表) H03-11 (Oral presentation)
ニホンジカの食性には南北性があり、北日本ではササなどイネ科が、南日本では常緑広葉樹などが重要であるという傾向がある。しかし九州地方では情報が乏しいため、福岡市(2023-24年)と宮崎県の椎葉村(2022-23年)で糞分析によって食性を解明した。両調査地とも夏でも葉(生葉)が30%未満であり、繊維質や稈など栄養価の低い食物が多く、非常に貧弱であった。これは近年のシカ密度上昇に伴い、林床の植物が著しく乏しくなったことを反映し他ためと考えられた。したがってシカ食性の南北変異を考える上では資料として適していないと考えた。