| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第72回全国大会 (2025年3月、札幌) 講演要旨
ESJ72 Abstract


一般講演(口頭発表) I03-03  (Oral presentation)

解剖学的構造を仮定した葉形態の3次元フェノタイピング手法
3D phenotyping method for leaf morphorogy assuming anatomical structure

*松原壮吾, 野下浩司(九州大学)
*Sogo MATSUBARA, Koji NOSHITA(Kyushu University)

植物にとって、葉は生存のための重要な器官である。葉の形態は、光合成速度やガス交換効率などの機能と密接に関係している。植物の表現型解析は、形態と機能の関係を理解する上で重要である。様々な葉の形態の中でも、葉の輪郭構造は葉面積や葉の角度を推定するのに利用できるため、特に重要である。これらの特性は、光合成効率や作物の収量に直接関係することが知られている。本研究では、葉の先端と基部を三次元再構築する方法を開発した。まず、対象を複数の視点から撮影し、Keypoint R-CNNと呼ばれる深層ニューラルネットワークモデルを用いて、各画像における葉の先端と基部の二次元座標を推定する。次に、Structure from Motion (SfM)を用いて、多視点画像からカメラの相対位置を推定する。最後に、カメラの相対位置と三角測量に基づく先端と基部の二次元座標から三次元再構築を行う。提案手法により、植物体の多視点画像から、葉の基部と先端の三次元再構築を行うことに成功した。葉の基部と先端が正確に推定されている場合の三次元再構築の精度は高かったが、推定精度が低い場合、三次元再構築の精度が低下した。提案手法で三次元再構築した葉の基部と先端を通るように葉の輪郭を推定することで、推定精度の向上が期待できる。


日本生態学会