| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第72回全国大会 (2025年3月、札幌) 講演要旨 ESJ72 Abstract |
一般講演(口頭発表) J02-04 (Oral presentation)
哺乳類では一回の出産で産まれる子の数は概ね乳頭数の半数になる。これは1/2ルールとして古くから知られる。ところが樹上性のリスはこのルールに従わず、乳頭数に関わらず子の数が少ない。一方で地上性のリスはこのルールに則った数の子を産む。本研究では、ニホンモモンガは季節によって産子数が違い、春は樹上性リスと同様の、夏は地上性リスと同様の産子数の特徴を持つことを示す。つまり、ニホンモモンガは、一度に出産する子の数において、樹上性リスと地上性リスの両方の特徴を持っている。この発見は、樹上性リスは乳頭数に関係なく一度に出産する子の数が少ないという古典的な考え方に疑問を投げかける需要な知見である。