| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第72回全国大会 (2025年3月、札幌) 講演要旨 ESJ72 Abstract |
一般講演(口頭発表) J02-11 (Oral presentation)
多くの動物において、逃避行動の決定には繁殖状態が影響することが示唆されている。その要因として、大きな繁殖資源をもつ個体はそうでない個体よりも慎重な行動をとるとする資源保護の原理と、大きな繁殖資源をもつことで生じる逃避パフォーマンスの低下を補完するために慎重な行動をとるとする説が挙げられているが、その根拠は未だ限られている。そこで、ウシガエルの生殖巣重量と逃避時間の関係を調べ、その関係に逃避パフォーマンスが関与しているかを確認した。その結果、生殖巣重量が大きい個体ほど逃避時間が長くなることがわかった。一方で、生殖巣重量と逃避パフォーマンスの関係は有意ではなかった。このことから、ウシガエルにおいて生殖巣重量が逃避時間に影響を与えることが確認されたが、その要因は逃避パフォーマンスの低下ではないことが示唆された。