| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第72回全国大会 (2025年3月、札幌) 講演要旨 ESJ72 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P0-057 (Poster presentation)
オオスズメバチは、秋季にニホンミツバチの群れを集団で攻撃し、時に全滅させる天敵である。ニホンミツバチは、オオスズメバチに対する防衛手段を有しており、巣を偵察に来る斥候のオオスズメバチ個体に対して蜂球を形成して熱殺し、その後の壊滅的な集団攻撃を防ぐことが知られている。
オオスズメバチの襲撃時期である秋季にニホンミツバチが巣門の付近に汚物のような物質を塗りつける行動が報告されている。本研究は、働き蜂の行動調査や塗り付け物質のDNA メタバーコーディング解析等により、複数地域の群れを対象に、これらの塗り付け物質にどのような生物が含まれているかを明らかにすることを目的とした。
2011年から働き蜂の塗り付け物質に関わる行動調査を行い、2021年秋季に、周辺環境の異なる3つの調査地点で飼育されている、計6群から塗り付け物質を採取した。その結果、植物類、昆虫類、菌類、哺乳類、鳥類などの多様な生物が検出された。