| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第72回全国大会 (2025年3月、札幌) 講演要旨 ESJ72 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P1-152 (Poster presentation)
樹木の落葉が分解を通して物質循環を駆動していることは広く認識されているが、落葉から成る土壌有機物層が陸域生態系の生物多様性ホットスポットであることへの注目は未だに不十分である。土壌動物や微生物、植物種子や実生など様々な生物にハビタットを提供するというリターの役割について、定量的・定性的評価を可能にするためには、形質アプローチを用いてリターの養分濃度だけでなく形やサイズも数値評価していくことが有効であると考えている。リターの形質値は落葉直後の初期値から分解に伴って変化していくため、そのパターンの樹種間差について網羅的に把握する必要がある。そこで本研究では、90樹種を対象に2年間のリターバッグ実験(コモンガーデン実験)を行った。リターバッグは、リターを複数枚入れた通常のものに加えて、一枚のみ入れた個葉バッグを用意し、個葉リターの変化が追えるよう工夫した。本発表では、リターの面積や厚さ、乾燥に伴う丸まり度(Curliness)等の変化に加え、比葉面積(Specific leaf area: SLA)や葉乾物含量(Leaf dry matter content: LDMC)、葉組織密度(leaf tissue density: LTD)の1年目の変化について発表する。