| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第72回全国大会 (2025年3月、札幌) 講演要旨
ESJ72 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-050  (Poster presentation)

若狭に生息する海水魚類の腸内細菌叢比較【A】【O】
Comparison of gut microbiota of marine fishes inhabiting Wakasa【A】【O】

*藤野雅也(京都大学)
*Masaya FUJINO(kyoto university)

腸内細菌叢は哺乳動物の免疫系や食物分解に大きな影響を与える事が知られており、宿主の健康状態を維持する上で重要な要因であるとされている。しかしながら魚類の腸内細菌叢に関する知見がまだ十分でないのが現状である。魚類は動物のなかでも種数が特に多く、腸内細菌叢が多様であることが予想される。

魚類の腸内細菌叢形成は垂直伝播より水平伝播で獲得されると考えられており、シクリッドを用いた研究(Andreas Härer et al.,2020)からも腸内細菌叢の形成に生息地が大きく影響している可能性が示唆されている。一方で、多種間でも腸内細菌叢に違いが見られ、宿主側が選択して共生関係を築いていることも示唆されている。そのため、同所的に生息している魚種間で腸内細菌叢が、どの程度異なるのかを明らかにする必要がある。

本研究では魚類の腸内細菌を網羅的に探索すべく、福井県にある漁港で行ったサンプリング個体を用いて、腸管(主に後腸)から内容物を取り、アンプリコン解析を行い、多種間で腸内細菌叢がどのような変化があるのかを調査した。


日本生態学会