| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第72回全国大会 (2025年3月、札幌) 講演要旨 ESJ72 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P2-128 (Poster presentation)
ため池は水生昆虫をはじめとする様々な生物の生息場所であり、陸水生態系を考える上で重要な環境である。なかでも、日本最大の水生昆虫であるタガメは、生息数の著しい減少により絶滅が危惧され、早急な対策が求められている。個体数減少の要因の一つとして、侵略的外来種であるアメリカザリガニやウシガエルのタガメ生息地への侵入が影響していると考えられる。そこで本研究では、環境DNA分析技術を駆使して、山陰地域におけるタガメ、アメリカザリガニ、ウシガエルの分布域を調査した。その推定分布域と環境情報に基づき、機械学習による3種の生息予測モデルを構築した。さらに、生成AIの一種であるGAN(敵対的生成ネットワーク)を用いて生息域情報の補完・拡張を試みた。これにより、生息予測精度の向上ならびに潜在的生息地の特定を図った。本研究の成果は、将来的にタガメをはじめとする在来生物の迅速かつ的確な保全活動に寄与すると期待される。