| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第72回全国大会 (2025年3月、札幌) 講演要旨
ESJ72 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-152  (Poster presentation)

国内外来種ヌマガエルの茨城県の里山における生息状況とその生態について【A】【O】
Habitat situation and ecology of Fejervarya kawamurai in satoyama in Ibaraki prefecture【A】【O】

*細谷祐太, 門脇正史(筑波大学)
*Yuta HOSOTANI, Seishi KADOWAKI(Tsukuba Univ.)

ヌマガエル Fejervarya kawamurai は本来西日本に生息する種であるが,人為的な要因により自然分布域外である関東地方に国内外来種として侵入している。本調査は2023年5月から2023年11月の期間に毎週一回ずつ昼間に茨城県土浦市西部の里山である宍塚大池の水田周辺で行った。一回の調査で徒歩によるルートセンサスとカエルの捕獲調査の2つを行った。ルートセンサスではヌマガエルや在来カエルの発見数をカウントし,カエルの捕獲調査では捕獲したカエルの雌雄やサイズ,胃内容物を記録した。胃内容物はその体積割合と出現頻度割合,個体数割合を用いて胃重要度指数(IRI)を算出し,その餌動物の重要度を求めた。その結果,本種は侵入後7年ほどしか経過してないのにも関わらず,この地域のカエルの優占種になっており,在来種であるニホンアカガエルなどの個体数をほとんどの時期で大きく上回っていた。また,この地域において本種が6月下旬に世代交代を行っていること,アリの仲間やチョウ目の幼虫を主に捕食していたこと,時期によって餌動物の種類が異なっていたことなどが明らかとなった。


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