| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第72回全国大会 (2025年3月、札幌) 講演要旨
ESJ72 Abstract


一般講演(ポスター発表) P2-202  (Poster presentation)

エクセル管理地点データを1クリックで地図化:自然環境情報の蓄積・共有システム紹介【O】
Excel-Data Mapping System for accumulating and sharing natural environment information【O】

*平川浩文(無所属)
*Hirofumi HIRAKAWA(No Affiliation)

 エクセルで管理する地点データを1クリックで立体地球地図に表示するシステムを開発した。特定分野に限らず利用できるが、自然環境情報の蓄積・共有に特に有用と思われる。このシステムはマクロを含むエクセルファイルである。WindowsでもMacでも利用できる。地図に地点情報を多彩に表現できるほか、各地点を訪問・周回飛行して、そこがどんなところかを確認できる。利用に必要なのはエクセルと無料の単独アプリGoogle Earth Proである。
 利用手順は次の通り。1)システム上のボタンを押して、データファイルを作成。2)データシートにデータを記入(既存データの貼り付け可)。3)地図に表示したい情報を指定。4)「kmlファイル作成」ボタンを押す。
この結果、kmlファイルが作成され、同時にGoogle Earthが起動して、その内容が地図に表示される。当初、地図上の記号や文字の大きさや色には初期値が使われる。必要あれば、表示結果を見ながらデータシート上で調整して、再度「kmlファイル作成」ボタンを押す。
 このシステムは日時情報を効率的に扱える。データに日時項目が一つあれば、例えば、動植物の観察・目撃情報を年別や月別にまとめておいて地図上の表示/非表示を切り替える、といった使い方ができる。
 本システムの特長は、データ管理と地図化が表裏一体となっていることである。位置情報に経緯度を使うので、地名や通常の地図使う場合と違って、地点をピンポイントで特定でき、何十年経っても位置情報の有効性が失われる心配はない。経緯度に間違いが紛れ込む心配もほとんどない。将来、エクセルがなくならない限り、管理されたデータは有効である。
 情報共有が容易なことも大きな長所である。先方がオンライン環境にあれば、誰とでもkmlファイルで共有できる。エクセルを使える環境にあれば、データファイルで共有してもよい。


日本生態学会