| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第72回全国大会 (2025年3月、札幌) 講演要旨
ESJ72 Abstract


一般講演(ポスター発表) P3-015  (Poster presentation)

北海道における航空機レーザ測量データによる樹高マッピング【A】【O】
Tree height mapping by aircraft laser topography survey data over Hokkaido【A】【O】

*Yo TOYOSAKI(Hokkaido Univ.), Tomomichi KATO(Hokkaido Univ.), Long Duc NGUYEN(Hokkaido Univ.), Masato HAYASHI(NIES)

 森林生態系の主要な指標である森林樹高は、地球温暖化問題を正確に把握するために非常に重要である(Lefsky et al. 2002)。樹高推定を行う際ライダーを用いた三次元点群データは精度が高く、2010年前後で広範囲に点群データが存在する北海道は世界的に貴重である。しかし航空機ライダーは精度が高い一方で範囲が限定的であり、衛星ライダーは広範囲をカバーする一方で精度よく推定するには対象地域に応じた樹高推定式の構築と検証が必要となる。現在の森林の二酸化炭素吸収量を推定するためにはICESat-1のような2000年代の衛星データが必要で、その精度は重大な問題となる。そこで本研究では機械学習を用いて航空機ライダーから北海道の樹高マップを作成し、ICEsat-1から計算した樹高との比較・検証を行った。
 JAXAの土地被覆データ(JAXA, 2021)を用いて北海道の森林部分のみを抽出した後、機械学習のランダムフォレスト回帰を用いて約10mのピクセルサイズの北海道の樹高マップを作成した。2009年付近の約10のサイトから得た航空機ライダー点群データで各ピクセル毎に最高点から最低点を引くことで樹高を直接計算し教師データとした。それに加えLandsat5、ALOS/PALSARの衛星データ等から計算された変数を入力データとし、北海道の樹高マップを作成した。2009年の北海道のICESat-1のデータを用い、北海道での経験式から樹高を計算した。
 作成したマップの精度を検証した。また、ICESat-1から計算された樹高と比較することで、樹高マップの樹高推定の妥当性について考察した。現在マップを作成中のため、詳しい結果と考察についても紹介する予定である。


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