| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第72回全国大会 (2025年3月、札幌) 講演要旨 ESJ72 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P3-124 (Poster presentation)
これまでヒキガエル属の食性にいて成体の報告は知られるが、体サイズが親と比較して極めて小さい当歳幼体の食性についての情報は知られていない。そこで、外来種として駆除対象とされる北海道のアズマヒキガエルの当歳幼体を対象に食性を調査した。個体の捕獲を2021年7月30日および2023年7月26日、8月27日に実施し、捕獲した124個体から餌動物として20動物群5327個体(不明種を含む)総重量で3589.7㎎を検出した。これらの総重量の内の48.6%をアリ上科が占め、また、個体数割合および検出頻度でも、アリ上科がそれぞれ75.4%、87.9%を占め最も高く、次いでトビムシ目が9.9%、79.0%、ダニ目が、それぞれ5.5%、58.9%を占めた。この結果、幼体は成体と同様にアリを主要な餌の一つとして利用するが、成体がほとんど利用しないトビムシ目やダニ目等の小型土壌動物についても主要な餌としていることが明らかとなった。また、捕食するアリの量は成長に伴い増加するが、これに対してトビムシ目やダニ類については減少する傾向が見られた。