| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第72回全国大会 (2025年3月、札幌) 講演要旨 ESJ72 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P3-167 (Poster presentation)
ショウジョウバエ科タロイモショウジョウバエ属のクワズイモショウジョウバエ(Colocasiomyia alocasiae)とニセクワズイモショウジョウバエ(C. xenalocasiae)は、クワズイモ(Alocasia odora)の花序(果序)で採餌・交尾・産卵・幼虫の発育を行う。宿主植物のクワズイモはこれらのハエにより送粉されるという緊密な繁殖場所送粉共生が進化している。これらのハエは、花以外で見つかることがほとんどないため、一生のほとんどを花の上で過ごし、食餌も花から得ていると考えられる。昨年度、我々は中性花から分泌される花蜜の分析結果を報告した。今回は、フリーズドライにした雄花と中性花のメタノール抽出液を、逆相カラム(C18カラム)、非誘導体化アミノ酸分析用カラム、非誘導体化有機酸分析用カラムを使用し、高速液体クロマトグラフ質量分析計を用いて花蜜の成分分析を行った。本発表では、雄花と中性花それぞれに特徴的な化合物群に注目し、栄養や訪花行動の観点から議論する。