| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第72回全国大会 (2025年3月、札幌) 講演要旨 ESJ72 Abstract |
一般講演(ポスター発表) PH-45 (Poster presentation)
カラスバト(Columba janthina)は天然記念物・準絶滅危惧種に指定されており、伊豆諸島をはじめとする島嶼に生息する鳥である。カラスバトは個体数が少なく、人前にめったに姿を現さないため調査が困難である。このような鳥の保全のためにはその生態を明らかにする必要がある。カラスバトにGPS発信機を取り付け、専用のアプリで定期的に位置情報・気温・ODBA(活動係数)のデータを取得・整理した。まず初めに、先行研究からカラスバトは夜に島間移動をしているのではないかと仮説を立て、四羽の野生個体より、長距離の場合は夜間に移動しているが、短距離の場合は昼夜問わずに移動していることがわかった。次に、カラスバトの夏季と冬季の活動には違いが見られるかもしれないと仮説を立て、二羽の野生個体を用いた結果、冬季は夏季に比べ、外れ値が多く、一時的に活動が穏やかになっているなどの違いが見られた。