| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第72回全国大会 (2025年3月、札幌) 講演要旨
ESJ72 Abstract


一般講演(ポスター発表) PH-57  (Poster presentation)

日本の気候変動とZ世代の取り組み【A】
Japan's Climate Change and Generation Z Initiatives【A】

*紙屋花, 前川典子(だいせん聴覚高等学校)
*Hana KAMIYA, Noriko MAEGAWA(Daisen SHS. for the Deaf)

私は、私と同世代の1990年代後半から2010年代にかけて生まれた世代(Z世代)は、気候変動への取り組みに対する意識や関心が他の世代よりも高いのではないだろうかと予測を立てた。そこで、気候変動に対する意識や取り組みに関するアンケートをとり、世代別に集計することにした。アンケートの内容は、性別、年齢、職業、環境問題に対する取り組みを現在行っているのかどうかである。私の予想は、インターネットを使い慣れているZ世代は、SNSやネットニュースで環境問題に関する情報を普段から目にしているため、環境意識が高い一方、具体的な対策の取り方が分からない可能性もあると考えた。私が実施したアンケートの12個の質問のなかでも、特に世代によって差が見られた質問が2つあった。「風力や太陽光などの再生可能エネルギー電力に契約を切り替える。」という質問では、50代~70代の回答者には、再生可能エネルギー電力に契約を切り替えている人がいなかった。再生可能エネルギー電力に契約を切り替えるのは、若者と比べてインターネットに不慣れな高齢者にとっては大変な作業なのかもしれない。また、「省エネタイプの家電やLED電気に買い替える。」という質問での結果は、10代~20代は「あてはまる」と「少しあてはまる」を合わせて100%のうち47%、30~40代は88%、50~70代は93%となり、世代が重ねるつれて増加していることが分かった。私はZ世代が最も環境問題への意識が高いと予想していた。だが、今回のアンケート結果では、30~40代の中高年層が最も行動力があることが分かった。Z世代は他の世代よりも自由に使えるお金が少ないため、授業などで学習する機会は他の年代よりも多く、環境問題の知識はあるが、行動には移せていないのかもしれない。


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