| 要旨トップ | 本企画の概要 | 日本生態学会第72回全国大会 (2025年3月、札幌) 講演要旨
ESJ72 Abstract


シンポジウム S04-3  (Presentation in Symposium)

変わりゆく日本の森【O】
The changing forests of Japan【O】

*日浦勉, 小川裕也, 野間野史明(東京大学)
*Tsutom HIURA, Yuya OGAWA, Fumiaki NOMANO(Tokyo University)

日本列島は森の島である。世界的に見てもその面積に対して樹木の種多様性が高く、南北で組成や構造が大きく異なる森林が広がっている。この豊かな日本の森は主に人間活動と気候変動によって近年大きく様変わりしてきた。その長期変化を定量的に示すことを可能にしたのが環境省モニタリングサイト1000をはじめ、林野庁生物多様性基礎調査、各地の大学演習林の固定試験地、研究者個人などが長期にわたって蓄積してきた様々な森林の毎木調査データである。特にモニタリングサイト1000森林・草原分野のコアサイトでは、北は雨龍から南は与那までの20ヶ所で1haでの毎年の毎木調査のみならずリターフォールトラップによる落葉落枝・落下種子量調査、ピットフォールトラップによる地表徘徊性甲虫調査が20年間継続され、炭素循環や昆虫群集動態も把握されている世界的にも稀有なモニタリング事業となっている。本講演ではモニタリングサイト1000によってこれまでに明らかになってきた最近20年間の変化に加え、そのほかの研究も交えて過去100年間の日本の森林の種組成や構造、物質循環などの変化を紹介する。


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