| 要旨トップ | 本企画の概要 | 日本生態学会第72回全国大会 (2025年3月、札幌) 講演要旨
ESJ72 Abstract


シンポジウム S11-8  (Presentation in Symposium)

身体融合インタラクションにおける意思決定プロセス【B】【O】
Decision-making Process in Fusion Body Interaction【B】【O】

*高田一真(OIST)
*Kazuma TAKADA(OIST)

本発表では,複数のユーザが単一のロボットアームやバーチャルアバターを共有するインタラクション,すなわち「融合身体」における意思決定とそのプロセスを紹介する.心理学や認知科学の分野では,複数人が協調して課題に取り組む共同行為(Joint Action)について多くの研究が行われており,これまでの知見から,共同行為によって運動パフォーマンスや学習効果が高まることが示されている.融合身体はこの共同行為の一形態であり,特に複数人が単一のロボットアームやVRアバターのように,身体となる対象を協調して操作することを指す.
本発表では,発表者が融合身体の研究者とともに取り組んできた実験事例を紹介し,二者間の融合身体インタラクションにおける合意形成や役割分担がどのように行われ,それが意思決定プロセスにいかなる影響を与えるのかを議論する.また,ヒトを対象とする心理学・認知科学やHuman-Computer Interactionの手法と,ヒト以外の生物の群れや社会性行動を対象とする生態学のアプローチを組み合わせることで,複雑な意思決定や社会性を包括的に理解するための新たな手法を模索したい.本シンポジウムにおいて,異なる領域の研究者が交錯することで,新たなアプローチが生まれることを期待する.


日本生態学会