| 要旨トップ | 本企画の概要 | | 日本生態学会第72回全国大会 (2025年3月、札幌) 講演要旨 ESJ72 Abstract |
シンポジウム S17-3 (Presentation in Symposium)
パリ協定や生物多様性条約などで、森林生態系の炭素吸収量と多様性への関心が強くなっており、それらをモニタリングするリモートセンシング技術は、日進月歩で時空間的に高解像度化している。また観測結果を解釈し、将来予測の精度を向上するためのモデルによるアプローチも発展している。発表者は、衛星・航空機でのLidar・画像等のデータと機械学習を利用して茨城県、大分県、日本、台湾等で森林地上部バイオマスを推定している。特に日本全国にわたって1ピクセルサイズを10m四方でマッピングし、JAXAウェブサイトからデータを一般公開しており、これは炭素クレジット見積もりへ貢献することが期待されている。北大苫小牧研究林では複数年の航空機・ドローンによるLidar・画像計測と深層学習より森林地上部バイオマス成長量や樹木枯死率の推定を試みた。さらに最近では地上レーザスキャナーによって3次元樹形を大学研究林等で測定しつつある。またそれらリモートセンシングの結果を生態系炭素・窒素循環モデルVISITに取り込むことで生態系光合成量の推定精度の向上も行なっており、それら最近の研究結果について紹介する。