| 要旨トップ | 本企画の概要 | | 日本生態学会第72回全国大会 (2025年3月、札幌) 講演要旨 ESJ72 Abstract |
自由集会 W08-5 (Workshop)
現在、社会では地球温暖化をはじめとする様々な環境問題が取り上げられ、どの業界においても「環境」に配慮した取り組みがより一層求められている。環境に配慮した取り組みを実践できる「環境人材」の育成のためには、教育機関においての環境をテーマとした学修や体験が重要となる。近年、地球温暖化の防止策の一つとして、バイオチャーの活用が注目されている。バイオチャーの作出から活用までの一連の過程や理論を体験し学修することは、地球温暖化の主因である人為的なCO2放出抑制など、環境問題の解決に携わる人材の育成に大きく寄与すると期待される。我々は東京都町田市の玉川学園において、2020年度より大学を主体に小学部から大学院まで複数の授業や課外活動の中で、バイオチャーをキーワードとした教育活動を展開している。本学のキャンパス(約63 ha)は都市緑地と位置付けられ、敷地内には様々なタイプの小規模な緑地(敷地面積の55%)が点在している。その多くはコナラやクヌギなどの旧薪炭林で、その他にスギやヒノキなどの植林、モウソウチクなどの竹林、クスノキやマテバシイなどの植栽、さらには草地や農地などである。それらの利用や管理で得られる剪定枝や間伐材、農作物残渣などは、バイオチャーを作成するための資材となる。本発表では、これまでに我々が取り組んできたバイオチャーを用いた環境教育の実践事例として、各作業工程(有機物資材の①収集、②破砕、③乾燥、④炭化、およびバイオチャーの⑤活用)の様子や得られたデータについて紹介する。また、これらの活動を通した教育効果や今後の課題についても議論したい。