| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨
ESJ73 Abstract


一般講演(口頭発表) G03-10  (Oral presentation)

干ばつへの生態系抵抗性と子どもの栄養不良:生態系機能と人間の健康をつなぐ【S】
Ecological Resistance to Drought and Child Malnutrition: Linking Ecosystem Function to Human Health【S】

*柿沼薫(東北大学), 柳川亜季(明星大学), Hyungjun KIM(韓国科学技術院)
*Kaoru KAKINUMA(Tohoku Univ.), Aki YANAGAWA(Meisei Univ.), Hyungjun KIM(KAIST)

気候変動下における子どもの栄養不良は世界的な課題である。干ばつが栄養不良に与える直接的影響は広く認識されているが、現在のリスク評価では生態系を介した影響、特に地域の食料システムが気候極端現象にどう応答するかを決定する生態系抵抗性が見落とされている。本研究は、生態系抵抗性を子どもの栄養リスク評価に統合した初の全球的解析である。
衛星植生指数(NDVI)と気候由来の干ばつ指標(SPEI)を用いて生態系の干ばつ抵抗性を定量化し、2000–2015年の発育阻害児分布との空間的重複を評価した。その結果、2000-2015年の平均で、発育阻害児の約5人に1人(18%、2,980万人)が干ばつに脆弱な生態系に居住しており、インド、パキスタン、イエメン、ソマリアに高度に集中していることが明らかになった。
生態系抵抗性を組み込むことで、アフリカのみならず南アジアも干ばつ関連の栄養リスクに対して極めて脆弱であることが示された。これらのホットスポットへの重点的介入は、持続可能な開発目標2.2の達成に不可欠である。


日本生態学会