| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨
ESJ73 Abstract


一般講演(口頭発表) H01-01  (Oral presentation)

ミナミコメツキガニ集団逃避行動の定量解析
Quantitative Analysis of Collective Escape Behavior in Soldier Crabs

*上杉佑人(東京大学), 西口大貴(東京科学大学), 村上久(京都工芸繊維大学), Claudio FELICIANI(The University of Tokyo), 竹内一将(東京大学)
*Yuto UESUGI(The University of Tokyo), Daiki NISHIGUCHI(Institute of Science Tokyo), Hisashi MURAKAMI(Kyoto Institute of Technology), Claudio FELICIANI(The University of Tokyo), Kazumasa A. TAKEUCHI(The University of Tokyo)

干潟に生息するミナミコメツキガニ(Mictyris guinotae)は、数十から数千個体規模の群れを形成し、外的刺激に応じて特徴的な集団逃避行動を示す。本研究は、この野外における集団逃避行動を個体レベルで定量的に記述し、その物理学的特徴を明らかにすることを目的とする。西表島の干潟においてドローンによる上空撮影を行い、高解像度動画を取得した。撮影映像にはドローンの移動や揺れに起因する大きな視野変動が含まれるため、石や地面の模様などの静止パターンを基準として画像の位置合わせを行い、地面に固定された座標系を再構成するイメージスタビライゼーションを実装した。さらに、視野内の空間的等価性に着目して画像をタイル状に空間分割し、その分割画像を用いて物体検出ツール YOLO により検出モデルを学習した。学習済みモデルを各フレームに適用して個体を検出し、検出結果を時系列的に連結することで多数個体の軌跡を再構成した。これにより、個体間距離や相対配置、速度変化などを評価可能な精度で位置情報を抽出できることを確認した。本手法は野外における多数個体トラッキングに広く応用可能であり、ミクロな個体運動とマクロな集団ダイナミクスを結びつける解析を可能にする。


日本生態学会