| | 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨 ESJ73 Abstract |
一般講演(口頭発表) I03-07 (Oral presentation)
有藻性サンゴ(以下サンゴ)の資源回復のためには,効果的な移植手法の開発が求められる.本研究では,サンゴを電場に晒すことによる成長促進効果に着目し,その効果を検証した.
直径10 mmの鉄筋で10 cm格子のテーブル状鉄枠を作成した.実験群ではアルミニウム合金陽極を配置して微弱電流を発生させ,サンゴを電場に晒した(10〜50 mA/m²).2025年6月に高知県大月町西泊にてスギノキミドリイシ(Acropora muricata)を約8 cmに切断し,各断片を鉄枠の交点に固定した.0,3,12,24週間目に側面から撮影した.各分枝を定義し(1次,2次,3次),長さと数を測定した.
両群とも3週間目から12週間目にかけて顕著な成長が確認された.12週間目には、実験群において1本あたりの3次分枝数のみ有意に多くなっていた.一方で,各分枝の伸長量には群間差は認められなかった.24週間目には,1本あたりの各分枝の数に群間差は認められなかったが,実験群では3次分枝の伸長量のみが対照群と比較して有意に長かった.以上より,スギノキミドリイシを電場に晒すことで成長初期には高次分枝数の増加を,その後には高次分枝の伸長を通じて分枝形成過程に影響を及ぼす可能性が示唆された.