| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨
ESJ73 Abstract


一般講演(口頭発表) K03-04  (Oral presentation)

都会のネズミほど貪食?飲食店街におけるドブネズミの出現とゴミ集積方法の関連【発表取消/Cancelled】
Are urban Norway rats more voracious? Associations between rat occurrence and garbage collection methods in entertainment districts【発表取消/Cancelled】

*島村夏波, 竹下和貴(東洋大学大学院)
*Nanami SHIMAMURA, Kazutaka M TAKESHITA(Toyo University)

ドブネズミ(Rattus norvegicus)による衛生的・経済的被害は深刻な社会問題であり、都市部、特にドブネズミの主要な餌資源である食品ゴミが多く存在する飲食店密集地域における被害防除には、ドブネズミの出現数と食品ゴミの集積方法の関連を明らかにすることが重要である。野外環境では、餌資源制限がかかっていない個体群ほど、同じ餌資源の中でもアクセス性や利用可能量の低いものは利用しなくなると考えられる。しかし、ドブネズミの場合は個体群パラメータなどを得ることが困難なため、餌資源制限の程度の評価は難しい。したがって、ドブネズミが出現しやすいゴミの集積方法の理解には、複数の地域間における一貫性の評価が肝要となる。本研究では、2025年の7-9月に関東地方の3つの異なる飲食店密集地域(調査地A、B、C)において、ゴミ集積場所におけるドブネズミの出現数および周辺環境要因の調査を実施した。観察されたゴミの集積方法を容積や形状などに基づいて5つに分類したところ、調査地Aではドブネズミの出現数と集積方法の違いに有意な関連はみられなかった。調査地Aよりも人口密度が高く食品ゴミの排出量が多いと考えられる調査地Bでは、外側が板で覆われた大型収納庫でのみ、全体の平均と比較して出現数が有意に多い傾向が認められた。さらに、調査地AおよびBと比較してさらに人口密度が高い調査地Cでは、外側が板で覆われた大型収納庫に加えて、地面に直接置かれたゴミ袋、バケツ型のゴミ箱の3つの集積方法でドブネズミの出現数が平均よりも有意に多かった。これら3つの集積方法には内容物へのアクセス性の高さと遮蔽性(外敵からの安全性)の高さが共通していたことから、ドブネズミ個体群が餌資源制限にない状態では、これら2つの要素、特に外敵からの安全性の高さが、採食場所とするゴミ集積方法の選択性に重要であると考えられた。


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