| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨
ESJ73 Abstract


一般講演(口頭発表) L01-15  (Oral presentation)

複数回測定値を用いたAIによる魚体長推定値のバイアスおよび分散の補正方法の開発
A method for bias and variance correction for AI Fish-length estimates using repeated measurements.

*柴田泰宙(水産研究・教育機構), 岩原由佳(水産研究・教育機構), 日野晴彦(水産研究・教育機構), 塚田秋葉(水産研究・教育機構), 木皿祐雅(水産研究・教育機構), 安田十也(水産研究・教育機構), 西野智也(コンピュータマインド)
*Yasutoki SHIBATA(FRA), Yuka IWAHARA(FRA), Haruhiko HINO(FRA), Akiha TSUKADA(FRA), Yuga KISARA(FRA), Tohya YASUDA(FRA), Tomoya NISHINO(Computermind Corp.)

近年、深層学習(AI)による画像解析を用いて漁獲物の体長測定を行った研究が多く報告されている。我が国においても、画像解析による漁獲物の体長推定をサポートするスマホアプリ(ToroCam)が開発され、測定者の測定値を真とすると、平均値は±5%程度に収まることが報告されている。一方で、推定値は一定のバイアスと分散(以下、誤差)を持つため、得られた推定値のみで体長組成のヒストグラム(以下、ヒストグラム)を描くと、測定値のみのヒストグラムに比べて、横にずれるだけでなく、裾野も広くなる。推定値に誤差が生じる原因は、学習データのサンプル不足だけでなく、撮影時と学習時の光環境が異なる、魚体が死後硬直で曲がっている等、多くの要因が複合的に関わっており、漁港現場においてそれらを均一にすることは非現実的である。そこで、本研究では、同じ個体に対してAIと測定者が測定を行い、それらを用いてバイアスおよび分散を補正する方法を開発することを目的とした。本研究では、日本各地で漁獲されたマアジ(n=790)を対象に、同一個体についてAI推定値と測定者測定値の2回(異なる方法による)測定を実施した。得られた体長データを、学習用と評価用に分けた後、学習用のみを用いて体長階級間の混同行列を作成した。クロスバリデーションにより、負の対数尤度が最小となるEMアルゴリズムの反復回数を選択した。得られた混同行列と反復回数を用いて評価データのヒストグラムを補正し、測定者ヒストグラムに近づくよう推定した。本報告では、得られた補正ヒストグラムに基づき性能評価を行い、本手法の有用性を示す。


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