| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨
ESJ73 Abstract


一般講演(口頭発表) N02-08  (Oral presentation)

河川の小空間スケールにおけるオオサンショウウオの生息場特性
Habitat Characteristics of the Japanese Giant Salamander (Andrias japonicus) in Small-Scale Environmental Units of a River

*松田裕太(兵庫県立大学), 岡田純(日本ハンザキ研究所), 佐川志朗(兵庫県立大学)
*Yuta MATSUDA(University of Hyogo), Sumio OKADA(Hanzaki Res. Inst.), Shiro SAGAWA(University of Hyogo)

 オオサンショウウオAndrias japonicusは河川生態系の頂点捕食者である。本種の生息場については、石や河岸植生の下の隙間に隠れることが知られているが、河川の空間スケールを考慮して隠れ場所の環境を定量化した研究はない。そこで、本研究は河川の小空間スケールでの隠れ場所の特性を明らかにすることを目的とし、体サイズによる相違についても検討した。調査は鳥取県の一級河川である日野川の3次水流範囲内の4地点でおこなった。各地点の縦断距離は200mとし、少なくとも平瀬、早瀬、淵が1箇所以上含まれるように設定した。調査は、本種の非繁殖期である2023年5-6月、10月、2024年5月、11月の日中に実施した。個体が確認された場合には、全長、成長段階、確認位置とその物理環境を記録した。この調査により得られた35個体分のデータを解析に用いた。
 AICcに基づくモデル選択(ΔAICc < 2)の結果、隙間の高さが全ての上位モデルに選択され、いずれのモデルでも係数推定値がプラスを示したことから、隙間の高さが大きいほど利用個体の全長が大きくなることが示唆された。以上より、本種の全長は隠れ家の隙間の高さと関連しており、この構造的特徴が生息場特性として重要である可能性が示唆された。


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