| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨
ESJ73 Abstract


一般講演(口頭発表) Q02-12  (Oral presentation)

羽標本の安定同位体分析から探る沖縄島の鳥類の食性
Feeding Ecology of Birds on Okinawa Island by Stable Isotope Analysis of Feather Samples

*武山智博(岡山理科大学), 岩見恭子(山階鳥類研究所), 富田直樹(山階鳥類研究所), 兵藤不二夫(岡山大学), 水田拓(山階鳥類研究所), 関伸一(森林総合研究所関西), 小高信彦(森林総合研究所九州)
*Tomohiro TAKEYAMA(Okayama Univ. Science), Yasuko IWAMI(Yamashina Instit. Ornithol.), Naoki TOMITA(Yamashina Instit. Ornithol.), Fujio HYODO(Okayama University), Taku MIZUTA(Yamashina Instit. Ornithol.), Shinichi SEKI(FFPRI Kansai), Nobuhiko KOTAKA(FFPRI Kyushu)

鳥類の標本の多くは,主に皮と羽毛および一部の骨格が保存された仮剥製の状態で保管されている。我々のグループは,安定同位体分析に基づく餌利用や移動履歴の解明を通じ,羽試料の新たな活用方法の創出を目指している。大部分の標本は博物館等に所蔵されている一方で,事故等により収容・冷凍保管された標本の場合,損傷の程度によっては剥製化が難しく,標本から得られる試料は遺伝子分析用などに留まっており,多面的な活用方法が求められている。我々はこれまでにスズメの標本の羽を対象に,炭素および窒素の安定同位体分析に対し十分なサンプル量を得るための部位や採取方法を検討し,標本の損傷を最小限に留める試料採取の方法を確立した。今回は,沖縄島内において事故等により収容・保管されている希少種を含む10種の鳥類標本を対象とし,その方法を応用した。許可を得て各標本から胸部の体羽を採取後,その羽に含まれる炭素・窒素の安定同位体比を分析し,各種の食性を検討した。その結果,種ごとの例数は限られているものの,各種の採餌生態に一致すると考えられる同位体データを得た。また,複数個体の試料が得られたヤンバルクイナについては,齢間での同位体比の値と換羽時期を対応付け,特に子育て時期に着目した齢ごとの採餌環境に関して考察を加えた。


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