| | 要旨トップ | ESJ73 シンポジウム 一覧 | | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨 ESJ73 Abstract |
シンポジウム S03 3月12日 9:00-12:00 Room C: 京大4号21
T. G. Dobzhanskyが “Nothing in Biology Makes Sense Except in the Light of Evolution” と述べたように、生物学のあらゆる領域の知見を進化の歴史性から統合的に理解することの重要性が強調されている。進化生態学においても、生物種間や環境との相互作用の変遷を探る多様な研究が進められ、近年は、系統樹推定に基づく比較法や進化ゲノミクスの進展によって、理論・実証の両面において新たな展望が開けつつある。しかし、研究対象の大半は現生種に限られており、化石種(絶滅種)を組み込んで現生生物学と同列に議論されることは依然として非常に稀である。その背景には、現生種を比較する生物学(neontology)と、化石種の時間的変遷を復元する古生物学(paleontology)の間に存在する方法論・研究手順・データ評価などにおける大きな隔たりがある。
本シンポジウムでは、植物・動物・菌類を対象とする現生生物学と古生物学の融合研究を通じて、「化石はいかにして進化生態学の地平を広げるか」を問う。現生生物学が短期的な時間スケールにおける生態や進化プロセスの解明を強みとするのに対し、古生物学は地質学的時間スケールにおける長期的なダイナミクスを解明する力を持つ。本企画を通じて両者の相補性を可視化し、生物と環境の相互作用の変遷をいかに統合的に理解しうるかを議論する。
コメンテーター:吉田勝彦(国立環境研究所)
[S03-1]
植物ー節足動物相互作用の進化・変遷の解明を目指して
Approaches toward understanding the evolutionary transition of plant–arthropod interactions in deep time
[S03-2]
砂が生き物だったとき:浮遊性有孔虫の光共生とその進化史を探る
When sand was alive: Exploring foraminiferal photosymbiosis and its evolutionary history
[S03-3]
極限環境における古生態学-化石からどこまでわかるのか?ー
Paleoecology in Extreme Environments: What Fossils Can — and Cannot — Tell Us
[S03-4]
植物化石から展開する古生態研究
Paleoecological studies based on fossil plants