| | 要旨トップ | ESJ73 シンポジウム 一覧 | | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨 ESJ73 Abstract |
シンポジウム S08 3月12日 14:00-17:00 Room A: 京大4号30
2022年12月に世界目標「昆明・モントリオール生物多様性枠組」が採択され、自然との共生という長期目標は維持しつつ、2030年までのミッションとして、いわゆるネイチャーポジティブの実現が掲げられた。その後、我が国では新枠組を踏まえた「生物多様性国家戦略2023-2030」の策定、30by30目標に向けた自然共生サイトの認定推進、ネイチャーポジティブ経済移行戦略の公表など、産官学民それぞれの取組が進んできたところである。
生物多様性及び生態系サービスの総合評価2021(JBO3)の公表から約5年が経ち、今回、2028年公表予定のJBO4に向けた中間提言を2030年ネイチャーポジティブの実現に向けた中間レビューという位置づけでとりまとめた。国家戦略の5つの基本戦略の下に設定された15の状態目標の達成にむけた短期トレンドを評価するとともに、評価上の課題や学術研究に対する期待についても整理している。
一方、2023年より開始した環境研究総合推進費の戦略的研究開発課題(S-21)では、生物多様性と生態系サービスに影響を与える直接要因と間接要因を統合的に扱い、対策の効果を定量的に評価するための統合評価モデルや将来シナリオを構築することを目的として、多分野の研究者約140名による研究が進められてきた。
JBO4のとりまとめに向けては、科学的知見の更なる蓄積・発展が求められ、S-21研究プロジェクトをはじめ、学術研究との連携がますます重要となる。本シンポジウムでは、関連する国内外の動向とともに、JBO4中間提言からはキーメッセージや定量的な総合評価手法などについて、S-21研究プロジェクトからは最新の研究成果を紹介した上で、JBO4のとりまとめ及び2030年ネイチャーポジティブの実現に向けて各分野に期待される役割と課題等について議論する。
なお、コメントとして石濱史子氏(国立環境研究所)より「生物多様性保全と再生可能エネルギー導入・防災の両立に向けて」についても発表いただく。
司会進行:那花美奈(いであ株式会社)
[S08-1]
生物多様性を巡る国内外の動向
The recent overview on biodiversity-related initiatives
[S08-2]
JBO4中間提言と学術研究への期待
Interim Report for Japan Biodiversity Outlook (JBO) 4 and expectations for academic research
[S08-3]
JBO4中間提言と生物多様性の定量的評価
Interim Report of Japan Biodiversity Outlook (JBO) 4 and quantitative assessment of biodiversity
[S08-4]
生物多様性と社会経済的要因の統合評価モデルの構築と社会適用に関する研究について
Development of an Integrated Assessment Model linking Biodiversity and Socio-Economic Drivers, and its Social Application
[S08-5]
JBO4中間提言と生物文化多様性
Interim Report of Japan Biodiversity Outlook (JBO) 4 and biocultural diversity