| | 要旨トップ | ESJ73 シンポジウム 一覧 | | 日本生態学会第73回全国大会 (2026年3月、京都) 講演要旨 ESJ73 Abstract |
シンポジウム S20 3月13日 9:00-12:00 Room G: 京大総合南11
気候変動や人口減少、パンデミックをはじめとする社会の変化のなかで、私たちはいま、どのように自然とつながっているのだろうか。人と自然の関係は、かつての「保護と利用」という二項対立を越え、多様なかたちで再構築されつつある。自然を人間から切り離された存在として扱うのではなく、日々の暮らしや社会の仕組みのなかでいかに関わり、共に生きるか―その「人と自然のつながりの現在地」を多角的に捉え直すことが求められている。
本シンポジウムでは、『「風の谷」という希望―残すに値する未来をつくる』の著者である安宅和人氏を招き、「風の谷」という理念を手がかりに、持続可能性の再設計と人間の創造性の可能性を展望する。単なる田舎でも、従来型の地方都市でもない、自然と人間が調和しながら共生する新たな生活圏をいかに創造し、維持していくのか。私たちは何に向き合い、目に見えない循環をどのように管理していくべきなのか。生態学、地域計画学、人文社会科学、心理学など、人と自然の新たな関係性を探る多様な分野の研究者・実践者との議論を通じて、学問領域を超えた知の統合と共有を試みる。「いきものと暮らす社会」、「こころと地域の多様性」、「物質循環と社会」といった多面的なテーマから、これからの社会のあり方を多角的に論じる。
異なる視点の交わりを通じて、人と自然の関係を理論と実践の両面から再考し、生態学が果たしうる新たな社会的役割を探る場としたい。
コーディネーター:徳地直子(京都大学フィールド科学教育研究センター)
コメンテーター:谷内茂雄(京都大学生態学研究センター)、他
[S20-1]
趣旨説明:人と自然のつながりの現在地とは
Symposium Overview: Exploring the Present State of Human–Nature Relationships
[S20-2]
残すに値する未来を考える
Reflecting on a Worthy Tomorrow
[S20-3]
人間活動によって維持されてきた生態系の現在地
Current and actual status of ecosystem maintained by human activities
[S20-4]
離れていてもつながっている ― 他出子が抱く出身地域との心の距離
Even Apart, Still Connected: Emotional Ties of Out-Migrants to Their Home Regions